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第7話 鷹宮家の鍵①

Author: 花柳響
last update Petsa ng paglalathala: 2026-07-02 16:40:55
 鷹宮邸は、思っていたより静かな家だった。

 静かすぎて、最初は落ち着かなかった。白鳥邸では、父が廊下の向こうで咳をするだけで使用人の足音が変わる。莉々花が部屋にこもると、瀬里奈さんのため息が食卓に落ちる。静けさまで、誰の機嫌を読むべきか教えてきた。

 鷹宮邸の玄関には、それがない。磨かれた床を踏む自分の足音だけが響く。ここにいていいのか、と耳元で囁くのは家ではなく、私の中に残った白鳥家の声だった。

 都心から少し離れた高台にある。門は大きい。建物も大きい。けれど、白鳥邸のように人の気配で満ちてはいなかった。

 白鳥邸はいつも、誰かの機嫌を読ませる家だった。

 廊下の花瓶の向き、食卓の椅子の位置、瀬里奈さんのハンカチの色。すべてが、今日は何を譲るべきかを知らせてくる。

 鷹宮邸の玄関には、そういう圧がなかった。

 ただ、磨かれた床が少し冷たい。

 それだけだった。

「客室は用意してある。鍵は君が持つ。朝食の時間も、合わなければずらせる」

 征臣は歩きながら言った。

 手当てを終えた私の右手には、薄い包帯が巻かれている。冷却ジェルの匂いがまだ残っていた。

「……あ
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